いざというときの
 「緊急ミニトイレ」

和歌山県 株式会社 サンコー

「黄金のペットボトル」問題

 道路沿いにポイ捨てされている、「黄金のペットボトル」と呼ばれる尿入りのペットボトルが社会問題となっています。一部のドライバーが、トイレに行くのが面倒であったり、渋滞に巻き込まれて我慢できなくなって、車内でペットボトルに排泄し、道路脇に投げ捨てているものです。
 時間経過とともに中身が茶に変色し、それらは清掃ボランティアの人々にとっては、地雷のような忌むべき存在であり、キャップを開けて中身を廃棄すれば、衛生面で付近の環境を著しく悪化させます。
 この問題の責任は、必ずしもドライバーの方々だけに帰すものでもありません。私たちは、この課題解決の一法として、「緊急ミニトイレ」の開発・製造・販売を行っています。

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緊急ミニトイレ」の開発

 渋滞時やレジャーの際のトイレに困るという声を聞いて、1984年、おでかけ用品「渋滞ミニトイレ」を開発・発売しました。
 その後改良を重ね、2009年に現在の「緊急ミニトイレ」に品名変更しました。発売以来100万個以上を販売しています。
 初代製品は、防水袋と凝固剤(高分子ポリマー)が別々であったため、使用するときは、凝固剤を防水袋に入れる手間が必要なため、お子様が漏らすことがあるという意見がありました。
 そのため、凝固剤ふりかけタイプから、凝固剤内蔵タイプへの変更を考えました。紙おむつの技術を研究し、吸水量と吸水スピードの確認にも時間をかけ、製品化の努力を重ねました。
 その後、1995年の阪神淡路大震災や2011年の東日本大震災などをきっかけに防災意識が高まって、非常用品としての販売も拡大することになりました。

和歌山県トラック協会様へ寄贈

 2021年6月、和歌山県トラック協会様へ、2個入り5千セットを寄贈しました。これらは和歌山県の運送業490社様に配布されました。
 阪本享三会長は「トラックドライバーさんは、サービスエリアや渋滞で苦労している。非常にありがたい」と話されました。
 ドライバーの方々には、もしものときのために「緊急ミニトイレ」を車内に備えていただき、トイレ問題解決とボランティア清掃の方々の衛生問題解決にも繋がることを願っています。
 また、ECサイト購入のお客様で、「いざというときに安心かと購入しました。家族でそれぞれ避難用荷物に入れておきます」「釣りの際の非常時のトイレ用に購入しました」など、災害の備えで購入される方もいます。

サンコーのSDGsの取り組み

 世界にとって必要な持続可能な開発目標について、当社は2020年7月にSDGs宣言をし、「地域社会との共生」「多用な人財の活用」「環境問題への取組」の3つの課題を掲げました。
 具体的には、地域の啓発活動参加や寄附、学校の学習サポート、健康経営活動、女性の活躍できる職場づくり、水だけでも汚れが落とせるオリジナル環境素材などの商品を開発しています。そしてこれらの活動を、「SDGs活動報告」で発信しています。

【資料】 株式会社サンコー  
 1962年創業。生活サポート用品*の開発、製造、販売。経営理念は、「人の心に貯金する」。
*商品 リビング、キッチン、トイレ、バス、ベビー、シニア、ペット、スポーツ、業務向け用品(店舗やECサイト)
(642-0022和歌山県海南市大野中715
(株)サンコー 広報 西畑美佑)