SDGsと経営

お客様の最高のおもてなし
人を育てる「掃除」

ブラザーズ代表取締役
 北浦 明雄

 グルメバーガー専門店「ブラザーズ」は、お店はもちろん、地域清掃にも力を入れており、お店がある人形町、新富町、そしてりんかい線「東雲駅」前の国道沿いを掃除しています(写真)。集めたゴミは、活動に参加して感銘を受けた国土交通省甲川壽浩さん(現、近畿地方整備局副局長)の尽力でできた道沿いの「置場」におきます。経営も順調で、掃除は経営や従業員教育に大きな効果がある、と北浦氏は話します。

東雲駅前国道沿いの清掃(2021.8.5)
(後列右2人目)北浦明雄氏

掃除や環境整備に力を入れる理由は?

 掃除は、開業時からお客さんがないとき、不安に駆られないようとにかく体を動かしていました。私にとって掃除は、「妥協せず物事を徹底して行う心」をつくる修行でもありました。「料理半分、掃除半分」といわれるほど、飲食業にとって掃除は大事なことです。
 掃除をしていたあるとき、「毎日一つ改善すれば、それが大きなものになるのでは」という考えが生まれました。1年間で365の改善です。例えば、すぐ書けるように伝票の置場を考え、ペンを置く。食材を冷蔵庫の取りやすいところに置く、などです。
 「能率」とは、物事を完遂させるまでの、動きの少なさです。常に環境を整えておくと、10分でできることが3分でできます。日々の作業を振り返り、能率を高めるために力を注ぎました。

東日本大震災のトイレ掃除

 妻とスタッフで、2度震災支援に行きました。宮城県女川町の避難所のトイレでは、汚物が便器につまり、ほとんどが使えない状態でした。汚物を手で取り除き、便器を磨き、すべてのトイレを使えるようにしました。皆さんとても喜ばれました。
 トイレ掃除は、掃除の会の学校や靖国神社などの活動で学びました。当店店長のトイレ掃除は、飲食店トップレベルと思います。
 「トイレを見れば、その店の経営状態がわかる」といわれます。経営者は、トイレ掃除を社内の誰よりも究めるとよいと思います。トイレ掃除は、心を謙虚にしてくれます。

地域にも活動を広げていますね

街の掃除は、地域にお役に立てているという感覚があり、とてもやりがいを感じます。日本を美しくする会の新宿歌舞伎町清掃の、道具の並べ方、ゴミの分別、道具洗いや参加者組織化などのやり方を学びました。
 弊社には、将来自分のお店を持ちたいという目標をもって入社するスタッフが多くいます。このようなスタッフの心を効果的に育てることを追求した結果、鍵山相談役が提唱する「凡事徹底」の掃除にいきつきました。
 創業以来30名以上が独立を果たし、今も全国から当店に入社する人が来ます。人には、衣食住で満足する以上の大きな志が必要です。目標を掲げ、あきらめずに続けるのです。成功する人と成功しない人の違いは、「最後までやり通すかどうか」なのです。

【資料】 ブラザーズ
 2000年(平成12)、東京日本橋人形町で創業。オーストラリアで修業した北浦明雄氏が手掛けるグルメバーガー専門店。現在都内に、レストラン、デリバリー、テイクアウト専門の5店舗を持つ。
 兄弟で始めたから「BROZERS’」とし、アルファベット最後の文字「Z」に、「最後までやり通す」誓いを込める。北浦氏は、最近『Zの精神』日本一のグルメバーガー店の最後までやり通す経営哲学(PHP研究所)(写真)を上梓した。
(103-0013東京都中央区日本橋人形町2-27-1-3F)