特 集

国会掃除に学ぶ会

第3回 国会掃除に学ぶ会に寄せて

参議院議員 中田 宏

 当日は「裁判官弾劾裁判」の公判と重なり、私は国会側裁判員として午後ずっと法廷に出席しなければならず、参加が叶いませんでした。残念でなりません。
 今回、弊事務所は開催準備をさせていただきました。衆議院事務局管理部業務課と使用トイレの調整や「日本を美しくする会」の方々の国会内の通行、掃除道具の搬入など、許可を要することの準備です。
 第1回、第2回「国会掃除に学ぶ会」、それぞれの回に参加した野田佳彦衆議院議員、逢沢一郎衆議院議員に第3回の発起人を務めてもらい、順調に準備を進めることができました。
 当日は、両議員の呼びかけで衆議院議員10人(国会日程によって参議院議員3人が参加できず)、「日本を美しくする会」から30人、弊事務所から秘書ら4人、計44人で掃除に学びました。
 参加者から、「国会を掃除するのは、国民としても感慨深い」「次も参加したい」との言葉をいただき、開催した意義を感じます。何よりも国会議員にとっては、気持ちを整えて志を新たにする機会になりました。
 「日本を美しくする会」から呼び掛けをいただいたのが6月。以来国会日程をにらみながら、準備してきました。
 第2回には私も参加しましたが、直後に衆議院解散となり、その後6回の国政選挙、その度に議員の入れ替わりもあり、今回まで8年の間隔が空きました。
 野田、逢沢両議員と協議の上、多くの国会議員の参加を得て、是非「第4回」を実施したいと考えています。引き続きご協力をいただきたくお願い申し上げます。

第3回 国会掃除に学ぶ会 

日本を美しくする会 副会長・事務長 千種 敏夫

■日時  2022年11月30日(水)午後3時~5時
■場所  国会議事堂内西側
    付属家 男女トイレ、外部
■参加  計44名 国会議員10名
関係者 4名 一般30名

 鍵山秀三郎相談役の松下政経塾での講話を聞いた塾生が国会議員になられたり、河村建夫衆議院議員(当時)の奥様が当会の萩掃除に学ぶ会のメンバーであることなどのご縁から、第1回は開かれました。
 さて今回ですが、開会式では、防災服姿の議員や当会メンバーが、3班に分かれ庭に整列。「国会掃除に学ぶ会」代表のお2人、野田佳彦、逢沢一郎議員に続き、当会利会長が「今日は〝さん〟付で呼び合いましょう」と挨拶し、皆さん気が楽になりました。
 初めてや久しぶりの方も多くおられましたが、リーダーらのサポートで、懸命に便器を掃除されました。野田佳彦議員は、自動照明が切れて暗い身障者トイレの中で黙々掃除されていました。先生方のそのような姿は、普段見ることのない光景でした。
 閉会式での感想発表です。
 ある先生は「私が汚れがなかなか落ちませんねと言うと、(会の人から)それはあなたの心の汚れですと言われました」と。(爆笑)
 逢沢一郎議員「8年ぶりの参加でいい時間を持たせていただいた。毎年こうした時間を持ちたい」。野田佳彦議員「十数年ぶりに参加、心のさびは少し取れたが、相当さび付いていると痛感した」。
 事務局の中田宏事務所奈良俊幸所長は「来年以降も継続的に開催できれば」。利会長が「来年は当会の30周年でもあり、引き続き続けたい」と締めくくり、拍手と笑顔で閉会しました。
 来年以降も実施の方向となったのは、大きな成果でした。
 今回各地の当会メンバーが、地元の国会議員の先生を誘い、自身も上京して、先生方と一緒に掃除をしました。一人でも多くの議員の方に、「トイレ掃除」を経験していただきたいと思います。

日本を美しくする会30周年記念誌

『掃除道』
掃除道記念誌刊行会

 すでに届いて読まれた方もあると思いますが、皆さまへお礼と報告を申し上げます。
 288名のご寄稿に加え、30年間の年表と主な活動のカラー写真、そして鍵山相談役の略歴、書籍一覧、幹部挨拶からなる、324頁のハードカバーの記念誌です。

いきさつ
 2020年末、鍵山相談役の翌年の米寿お迎えを祝って、有志による発行が提案されました。その後、日本を美しくする会は2023年に設立30周年を迎えることから、2021年2月の総会でこれを30周年記念事業とすることが決まりました。
 4月、12名による掃除道記念誌刊行会結成。全体会議を7回開き、趣意書や募集、版、字数、費用・価格などの基本項目、そしてスケジュールや分担を決めました。やることは多岐にわたり、中でも最大の力仕事は編集でした。

編集方針
 「掃除」に特化したクロニクル(記念誌)制作は多分世界初。「掃除道」を次世代に伝えることを主眼とし、趣旨を「掃除道の歴史と精神を残す」としました。
 そこで、思い出話の文集ではなく、寄稿文を趣旨に沿うよう、執筆者の同意をいただいて一緒に編集させていただくこととしました。しかもこれを、人材育成やコストの観点から、掃除を実践する内部人材で行うことにしました。


編集の困難とお叱り
 予想通り、さまざまな困難があり、当初発行予定2022年10月が、半年遅れとなりました。
 オンラインで編集会議を毎月のようにやりました。この経過や問題については、別の機会に報告します。一部の方から受けたお叱りの内容は、大きく2点。
①鍵山相談役 「本の内容はともかく、相談役の病状を考えて1日でも早く発行すべきだ」
②会の姿勢 「相談役ご活躍のころは、こんなことはなかった。今の会はどうなっているのか」

主な困難
 3点あげます。
① 寄稿の低調と追い上げ(グラフ)
 300名目標として、2021年9月末納期で案内しました。関係者への郵送や『清風掃々』でも広告しましたが、169名でした。
 そこで、第2次案内を2022年1月納期で出した結果、200名に達しました。本会は自発の活動団体ですから、個人の判断にゆだねておりましたが、活動の核である代表世話人と海外の方々の寄稿が少ないようでした。
 そこで6月、第3次案内をこれらの方々へ個別にお勧めしました。6か月で50件増えました。
 これらの経過を後で考えると、寄稿が遅れ、その後サミダレで来た原稿に対して編集の対応が後手に回り、その結果発行が遅れたと考えられます。私どもは、折角の記念誌であり「良いものをつくりたい」気持ちと、「発行納期」の板挟みにありました。


②やりとりの問題
 最も困ったのが、連絡してもお返事がないか遅いことでした。また写真は、8割の方は掲載可否の意思表明がなく、添付がありませんでした。再度お願いし、最終的には9割以上の方から写真をいただきました。またメール不使用の方とは郵便で対応いたしました。やり取りは、お一人当たり数回では終わりませんでした。
③編集側の問題
 寄稿の漸増にともない、3名だったのを6名に増員し、やり方の統一や分担などを毎月のようにオンラインで打合せ、技術の向上やスケジュール調整をしました。
 しかし初めての方もおられ、特に「校閲」*という編集作業に手間取り、寄稿者にもご迷惑をおかけしました。結果、原稿1件当たり、数時間の工数とエネルギーを要したと推算します。
*「校閲」 事実関係、不適切表現、論理構成など、文章の正誤、適否を正す
「校正」 誤字脱字の修正、用字用語の統一、字数調整、写真挿入など

本誌の活用について
 目的は「掃除道」を伝えることであり、発行して終わりではありません。

読者の皆さまへのお願い
 次世代を含む多くの方に読んでいただく工夫をしたいと思います。お知り合いへのプレゼントや学校や図書館など公的機関への寄贈、そして良い記事のコピー配布なども推奨されます。
 感想やご意見、ご提案をお寄せください。次項の本部による活用の参考になります。

本部による活用 「総括」と「今後」
 諸先輩や同志の30年間の学びや思いの詰まった本誌は、貴重な多くの教訓や示唆、課題が含まれる情報の宝庫だと思います。
 まずは、掃除道の普及と社会的意義、課題などをまとめる「30年の総括」です。
 次が、高齢化の進展や会数減少、今後の会のあり方など、「今後の対応」を、広く示すことであり、しかもこれは続ける必要があります。これらは、皆さんの関心事であり心配事でもあります。
まとめ
①「掃除道の歴史と精神を残す」
 寄稿者288名と資料類からなる30周年記念誌が発行できた。
②意義と課題 自身の手で30年の歴史を編纂し、記録と人材育成などの成果を得た。一方、「納期を守る」などの基本的なことの反省も残った。
③宿題 「本誌をいかに使うか」こそが大事であり、読者、本部ともに努力していきたい。


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 永く読み継いでほしいために、在庫を持ち、販売します。
 読後感をお寄せください。清風掃々にも紹介させていただきます。