ご報告と今後の方針について 日本を美しくする会
会長 冨田 浩志
日頃より当会の活動に多大なご協力を賜りまして、誠にありがとうございます。
2025年4月NPO法人の「認定」資格を失効し、大変ご心配・ご迷惑をおかけしましたことを、心よりお詫び申し上げます。
その後、本質原因を究明すべく、第三者の弁護士による調査、会員アンケート、そして顧問弁護士から提言をいただきました。これらのご報告と今後の方針を申し上げます。
認定失効と原因究明の経過
2010年に取得した「認定」は、5年毎の更新があります。2014年と2019年に更新審査を受け、東京都から認定を得ました。
しかし2024年の申請では、「受入寄付金総額に対する70%の事業費率基準を満たさない」との指摘を受け、更新申請を取り下げました。新規申請を目指しましたが、改めて多くの問題を指摘され、申請を取下げることになりました。(2026年2月)
感情や推測ではなく、事実と客観的視点に基づいて本質原因を究明するために、弁護士による「第三者調査」を実施することにしました。
対応は以下の通りです。
⑴更新申請取下げの経緯等の ホームページへの掲載
⑵ 6月6日付会長書信「会員への今後の取り組み等」交付
⑶ 会員アンケート
⑷ 理事対象のNPO法人制度等に関する研修
⑸ 税理士への経理面の協力依頼
⑹ 顧問弁護士に「中村・椎名法律事務所」の採用
⑺ 顧問弁護士以外の、「第三者調査」の実施
*
【資料】
「なぜ認定を取得したのか」
日本を美しくする会は、(株)イエローハットの創業者鍵山秀三郎氏の理念に賛同した有志により、1993年任意団体として創設され、この輪は日本から海外にも拡がり、各地に「掃除に学ぶ会」が設立されていきました。
しかし規模拡大に伴い、任意団体では、対外的契約や口座開設に支障をきたすようになりました。また、イエローハットや鍵山氏などの一部個人に依存する資金面と事務局体制の運営継続に、無理が生じてきました。
そこで2007年、鍵山氏の理念実現に資するために、同志の自立的運営による「NPO法人」に移行しました。
さらに一層の活動の発展を見据え、2010年4月、より広く寄付金をいただける寄附金特別控除の優遇措置を受けられる「認定NPO法人」資格を取得しました。鍵山氏はこのことを、以下のように大変お喜びでした。
鍵山秀三郎『正しく生きる』
アスコム、2010、142頁(引用)
2010年4月22日、当会は「認定NPO法人」になりました。これは日本にまだ少なく、当会は135番目の認可団体になりました。私たちの活動と会の存在意義が世に認められたものだと意を強くしています。
認定NPO法人は、NPO法人の中で一定要件を満たすものに対して…国税庁長官が認定するものです。…国税庁が厳しい条件を課しているのですが、私たちは「日本を美しくする会」を非常にクリーンに運営していましたから、なんの問題もありませんでした。
認定NPO法人になったことで、「日本を美しくする会」は今後、活動の中身がいっそう濃くなることでしょう。いままでみなさんの手弁当で運営してきましたが、これからは広く浄財を得て、ますます活動の範囲が広がっていくと思います。
「認定」の意義・意味
・対外的には社会的意義のある活動をしている団体という評価が得られ、内部的にはガバナンスがしっかりした法人の証明です。特に認定は、全国約5万のNPO法人のうちわずか2・6%(2025年現在)であり、行政・学校など社会から信頼が得られます。
・NPO法人への寄付者には税優遇措置があり、賛同者を広く集めることができます。認定は、その比率が通常NPOの数倍あり、特に大口寄付者には有利です。
第三者調査報告書 (抄録)
ひのき総合法律事務所
弁護士 魚住 智哉
はじめに
日弁連ガイドライン「ステークホルダーのために調査し、対外公表し、団体の信頼と持続可能性を回復する」を基本に、調査は規定・議事録類と、現・旧役員8名のヒアリング等によりおこなった。
当会は、2010年に「認定」を取得。その後2014年と2019年、東京都に更新申請し認定を得た。しかし、2024年の申請では、「認定更新は困難」との連絡を受けた。
今回の問題の経緯
・取得当時から理事会は、認定の言葉こそ認識していたが、その具体内容を理解している者は皆無に等しかった。
・申請作業は、前任から特段の引継ぎもなく、過去の書類を参考にして、東京都の指摘を受けて完了させていた。
・今回「認定更新は困難」の連絡あり。当会は、対象年度がコロナ禍の下にあったことなどを訴えたが、都の判断は覆らなかった。
・会は、経緯等をホームページ掲載や文書送付などで通知する一方、2025年8月新規に認定申請をおこない、その結果を待っているところである。(結局取下げた、18頁参照)
会の運営や財務をめぐる諸問題
2010年の認定取得以降、賛助会員も増え会費収入が安定的に得られるようになった。一方、2021年理事の一部から次のような問題提起がされた。
①事務局機能強化 専務理事に依拠し業務が見えないために改革の必要性 ②予算管理 毎年(6年間)赤字が連続 ③NPO法人制度・賛助会員制度の理解のため広報の必要性 ④管理費運用基準違反 「全体支出の2分の1以下」5年間違反 ⑤物販不可の理解の誤り 設立以来の理解が間違っていたと判明 ⑥業務手順書の作成 ⑦会議・役職の定義明確化などである。
管理費の多くを占める役員報酬などの見直し、予算作成手順書の一部実行はされたが、多くは未実行のままとなった。この原因として、事務局の業務量の多さ、コミュニケーションの悪化が起因していたものと推察される。
原因と背景について
(直接原因)以下が窺われる。
○役員の制度の意義や法的効果の認識の乏しさ、意識の薄さ 事務局も理事も認定制度を本会が社会的に認められたという意味でしか捉えていなかった。
○申請作業は事務局任せで、役員の事前チェックはなく、財務理事、監事のチェックも利かなかった。
役員の制度への理解不足やチェック体制がなく、会員の多くも理解はなく、会全体に制度の認識・意識が希薄だったことが一因となったことは明らかである。
(背景)
○任意団体当時から、属人的な事務局体制に依存し、役員は、法的責任に無自覚のまま就任し、その後も毎年同様の状態で組織構成されていく一種の風潮があった。
〇役員は一般に善管注意義務を負い、法人に損害を与えた場合、債務不履行や不法行為責任を負う。この認識があれば、認定基準違反や物販不可などの誤った理解が長年続くはずがない。
しかし、本会役員においてこの認識が乏しかったこと、および2021年に問題提起された未実行項目が当時対応できておれば、今回の問題に至らなかった可能性は否定できない。
以上、背景に、法的責任を伴う認定NPO法人の役員への就任の自覚が乏しく、それが毎年継続されていることがあると考えられる。
再発防止策等の提言
①本会の理念、制度の意義を会全体で共有 ②役員の法的責任、認定基準を含む制度の勉強 ③認定基準のチェック体制構築 ④事務局強化 ⑤役員業務分担明確化等がある。
*
報告書は、当会公式ホームページ、または事務局にお問い合せください。

ホームページご案内
・ 会員アンケート
→ 2025・11・26付
・ 第三者調査報告書
・ 再発防止等についての意見書
・ 今後の方針
→ 掲載予定(26・2現在)
会員アンケート


会員アンケート フリーアンサー (抜粋)
(鍵山さんとの思い出)
・ 鍵山様と掃除できたのが宝です。
・鍵山先生の夢を忘れてはなりません。最近の子どもは人間関係が作れず、自尊感情を持てず、不登校が多い。便教会活動が期待される。
(理念・活動の意義・現状)
・世界中で近隣掃除をすると平和で穏やかになる。街が良くなった事例を作っていきたい。
・掃除の仕方など、本来の「掃除で荒みを取る」から逸脱し、教条的な感じがしてついていけない。
・掃除に何を学び、生かし、世の中を良くしていくかの学びを深めていかないと、相談役亡き後の会の継続は厳しくなろう。
・ベテランの指導押し付けにより、若い人が敬遠していると思う。
(認定失効について)
・認定意味知らない。認定必要ない。認定再取得反対。
・必要かどうか分からない。認定はなくても掃除活動はできる。
・認定により、社会的信用度がまったく違う。認定の意味を本部役員が分かっていなかった。
・鍵山相談役は認定を誇りに思っていました。再取得を望みます。
・会からの手紙は、「どこに問題があり、なぜ起こったのか?」の、分かり易い説明がほしかった。
(情報公開・財務)
・予算や支出内容について知らず、どう運営されているかも知らなかった。
・東日本大震災の義捐金5千万円が、毎年の欠損金に補填されていた(と知った)。これは義捐金として使うべきでは。(複数名)
・清風掃々は読んでいたが、損益に無頓着であった。2015年以来の連続赤字は、持続可能ではない。対策が求められる。
(人事・交流)
・毎月高齢者7~8名の参加で、会の存続が危うい。年会費もいずれ支払いが難しくなると推定。
・高齢化で後継者不足に悩んでいる。(複数名)
・若い方の参加が少なく、会の未来に不安がある。
・自地域がきれいになれば十分、年一度のブロック大会で満足。
・ブロック長・各地の会や理事で、人材育成と活性化のために、任期制による交代が必要では。人事に不信を感じる。(複数名)
・会の活動に不満。何でも話せて提案できる状態ではない。
会員アンケート 総括
鍵山相談役と掃除の意義
○鍵山氏への敬慕の念は強い。会の将来に不安を持つ人は多い。
○理念は強い支えになっており、「活動に誇りを持っている」人は9割近くと多い。
○「トイレ掃除の負担大」「若者は入りにくい」「指導の押し付け感」とともに、軽負担の「街頭清掃」や「学校との連携」、「外国人と清掃」などの提案あり
認定失効に関し
○「認定の意義」を知らない人は27%で、若い人ほど多い。
○当会が認定を失効したことを知らない人が、3割以上いる。
○「認定はなくてもよい」と考える人と、「信用につながるから必要」と考える人で、意見が割れている。
情報公開・広報
○「清風掃々」を読んでいる人は6割、読んでいない人は13%。
○「ホームページ」や「LINE」を見ていない人が多い。
○会の情報開示に満足していない人は、少しを含め6割近い。
財務内容
○会の「収入源」を知らない人は41%、「予算や損益を知っている」人は26%と関心は低い。
○「正会員年会費」2万円は高い、「義捐金」使途に疑問などの不満が、特に高齢層に多い。
(その後の調査で、東日本大震災の義捐金はすべて被災地活動に使用されていると判明)
組織運営・交流
○高齢化による後継者不足、若者の参加不足が、特に地方で深刻な問題である。
○役職固定化が、組織風土を悪化させているとの指摘もある。
○「活動に満足」「人間関係は良好」に、「はい」は64~80%だが、フリーアンサーでは強い不満をお持ちの人もみられた。
○「本部・ブロックとの交流がある」や「掃除以外の団体と交流したい」に、「いいえ」が多い。
【まとめ】
鍵山氏への敬慕の念や掃除の理念に誇りを持つ人は多い。
一方、認定の意義や会の拠って立つ財務基盤に関心のない人は多い。情報公開や広報が不十分であるとも考えられ、これに不満を持つ人は多い。
後継者難や若者参加不足、会費負担などにより存続に苦しむ会が増えている。
活動も、本部・他団体との交流は以前ほどではなく、地域的にこじんまりしてきているように見受けられる。
再発防止等についての意見書
中村・椎名法律事務所
弁護士 中村治嵩・椎名健二・野中大輝
はじめに
「第三者調査報告書」を踏まえ、顧問弁護士として提案します。
なお、本意見書は、理事会への参考と会員への説明責任を果たし、透明性ある組織運営を確立することが目的です。
原因の分析
1 制度理解の不足
理事・監事の多くが、法や認定、事務的・会計的要件を理解把握しておらず、事務局任せにしていた。
2 ガバナンス機能の形骸化
理事会等での議論は形式的で、監事も会計監査中心で業務執行監査機能が発揮されていなかった。
3 責任意識の分散
役員過多で積極的関与者と名目的在任者が混在し、意思決定主体が曖昧で対応遅れの一因となった。
4 無報酬文化と職責意識の希薄
事務局長を除く役員には長年無報酬の慣習があり、役員は「善意による参加」に偏り、法的責任や説明責任意識が醸成されず、職務を「責任ある経営行為」として認識しにくい土壌があった。
5 まとめ
本会が任意団体からスタートしたことが、背景にありそうです。認定後も役員らにその感覚が残り、職務分掌や責任所在などの重要問題に、あいまいな空気感があり、これらに起因し、今回の事態に発展したことは明らかです。
再発防止策
1 役員体制
⑴員数の見直しと所掌の明確化
過剰な員数は意思決定を遅滞させ、責任所在を不明確にします。
⑵役員への適正な報酬
役員に報酬を支給し、善管注意義務等の法的責任を自覚させます。目的は、「専門性確保」と「責任明確化」です。「職責に見合う自覚」を促す相当な額とし、時間・労力を正当・客観的に評価し、説明の透明性を確保します。
⑶理事会の運営改善
・理事会は、迅速な対応とともに、意思決定過程での支障と責任所在を明確にするため、定款に不記載の会議体は、理事会に一本化するなど整理します。
・監事は理事会に出て、運営全般に関する意見を述べたり、理事の質疑に対応する必要があります。
・理事会は、業務執行や意思決定の重要な地位にあり、闊達な議論がなされる必要があります。
・理事会資料および議事録を整備し、会員が閲覧できる体制を整えることです。
⑷ 理事・監事向けの研修会
法令遵守意識と運営能力を高めることです。NPO法、法的責任、会計、寄附金管理及び所轄庁対応などであり、外部専門家を招聘するなどして充実させます。
⑸ 理事の意識改革
・理事に問われるのは、本会をどう運営していくかのビジョンです。例えば、清風掃々第47号「理念を具現化するビジョン」特集などの一つひとつを形にしていくことが理事会の使命です。
・会員アンケートに「相談役後のビジョン・運営」や「相談役の夢」を追及してほしいなどとあります。
・鍵山相談役の精神に立ち返り、ビジョン実現に責任と誇りを持つことが最重要です。ここに目を向けられなかったり、検討する問題意識すら持たない人は、理事に不適格といえます。
2 事務局の強化
実務担当理事と事務局の協働で、より円滑な事務運営をおこなうため、スタッフ増加も含め事務局機能の強化が必要と思われます。
本会拡大の提案
賛助会員のすそ野を広げることです。鍵山相談役の掃除哲学は人生の真理に触れるものですが、残念なことに本会はまだ世の中に知られていません。あらゆる手段を用いて知名度を上げることです。
実施中の学校での活動は、地域と結びつき、知名度を上げ、若返りにも繋がります。清風掃々47号にある項目を、一つひとつ具体化・実行していくのは今です。独自の営業マニュアルにより本会を売り込んだり、成功事例を共有し、マニュアルや研修へのフィードバック、といったサイクルを回します。
おわりに
役員が、本会の法的責任主体としての自覚を十分に持たず事務局任せにしていたことは、組織運営上の重大な課題です。本意見書の提言にある再発防止体制を確立し、認定NPO法人として再び会の拡大を実現できると考えます。

今後の方針
「一人の百歩より、百人の一歩」
−未来へ再生の決意−
会長 冨田 浩志
平素より、会の活動に、深いご理解と温かいご支援を賜り、心より御礼申し上げます。第19回総会にあたり、2025年度の振り返りと今年度の方針につきまして、ご報告申し上げます。
(2026・2・8の第19回総会発表)
1 2025年度の振り返り
極めて重い一年となりました。年初、長年本会を導いてくださった鍵山秀三郎相談役が逝去されました。私たちは計り知れないほど大きな存在を失いました。
その後、認定NPO法人資格の失効という重大事態に直面し、会員の皆さまに多大なご心配をおかけしました。さらに、会員数減少と財務悪化が続きました。
2 会員数と財務の推移
会員数(2025年度)
・個人賛助会員 想定400名
→ 329名(▲71名)
・法人賛助会員 想定141社
→ 127社(▲14社)
・正会員会費 212万円
→ 146万円(約3割減)
収支(2025年度)
・経常収益 約1140万円
・経常費用 約1384万円
・当期赤字 約244万円
この結果、これまで鍵山相談役や諸先輩の皆さまによって積み上げられてきた繰越金を取り崩すことになりました。会長として深くお詫び申し上げます。
3 認定失効と組織運営への反省
認定資格の失効は、理事会全体の責任であり、組織の課題の表れでした。理事会を代表し、心よりお詫び申し上げます。
昨年度は、認定再取得および運営面の課題抽出を最優先課題とし、「清風掃々」を休刊して対応に集中しました。
残念ながら、認定資格の再取得は叶いませんでした。東京都より事業内容、経理処理の問題を指摘されています。
また、弁護士による第三者調査報告書および提言からは、理事会のガバナンス・事務局体制が弱いことを指摘されています。
認定資格の再取得は、2030年度を目指すことになりますが、運営を抜本的に見直します。
4 会員アンケートへの御礼
2025年会員アンケートを実施し、多くの率直貴重なご意見をいただきました。これらは、2026年度以降の方針に確実に反映してまいります。ご協力に、心より感謝申し上げます。
5 本会の理念と原点
本会の原点は、鍵山相談役の理念「掃除を通して心の荒みをなくし、世の中を良くすることが、私たちの心願です」にあります。
私たちは、今こそこの原点に立ち返ります。
6 2026年度の基本方針
2026年度を「改革元年」と位置づけ、3年以内の黒字化を目指します。
① 財務再建
・会員の拡大
・会費収入の回復と広告・協賛収入の確保
・経費削減、特に外部委託費の削減・内製化
② 組織改革
・理事数適正化(1年かけて実施)
・執行部会廃止、理事会へ一本化
・委員会活動と全員参加の改革
③ 事務局改革
・月次決算体制の確立による、会計の透明化と情報共有の徹底
④ 広報・情報公開
・HPを基軸の情報発信、並びに清風掃々・LINE公式との連携
・年次報告書の作成
7 2026年度予算の概要点
・収入 約1070万円(2025年度実績より低めに設定)
・支出 約1270万円内に抑制
・目標 赤字幅を縮小し、2027~2028年度の黒字化達成
8 おわりに
私たちは今、鍵山相談役の心願を、次世代へ確かにつないでいく大切な岐路に立っています。
「共に考え、共に学び、共に歩む」積み重ねが、本会の再生と発展に繋がると確信しています。
鍵山相談役の言葉「一人の百歩より、百人の一歩」を今こそ大切にしながら、心を一つにし、持続可能で信頼される組織の実現に向け、着実に歩みを進めていこうではありませんか!
今後とも、変わらぬご理解とご支援を賜りますよう、お願い申し上げます。