鍵山秀三郎様


鍵山様の〝念い〟は私たちが引き継ぎます
日本を美しくする会 会長 冨田 浩志
1996年、某法律事務所の記念式典で、鍵山秀三郎イエローハット社長の講演を聞きました。当時私は社長就任3年目で、多くの悩みと迷いの中におりました。お話しはわかりやすく、心に響きました。翌年鍵山さまが山形市にお見えになり、講演と掃除のご指導をいただき、「山形掃除に学ぶ会」が発足しました。
あるとき、上山温泉のお風呂の中で鍵山様にいわれたことは、私のその後の人生の指針となりました。
「社長は、念(おも)いと下座行を大切にすべきですよ。大きい会社にするよりも、いい会社にしたいですね。不安のない人はいません。不安があるから前進できるのです」
掃除の実践を通して、一番変わったのは私でした。妻がその変化に気づき、今一緒に活動してくれておりうれしく思っています。
鍵山様のお考えは、「凡事徹底」の言葉に集約されます。鍵山様が言われたとおり、掃除という凡事を徹底してやることで、自分も社員も心の荒みがなくなり、社風が良くなったのです。つまり、「日本を美しくする会」の理念「掃除を通して心の荒みをなくし、世の中をよくすることが私たちの心願です」を、身をもって体験しているのです。
なお、某法律事務所とは中村治嵩弁護士事務所です。中村弁護士の奥様は、鍵山様の高校時代の恩師佐光義民先生の娘様だったと後で知りました。今も法律的なことで相談させていただいており、不思議なご縁を感じています。
1993年、鍵山様の創唱で始まった「日本を美しくする会」、30有余年でその活動は全国そして海外へ広まってきました。これも鍵山様や田中義人相談役、利哲雄顧問、そして諸先輩方のご尽力の賜物であると、深く感謝申し上げます。
鍵山様の念いと教えを未来に繋いでいくことが、私たちの恩返しであり使命であると考えます。
鍵山様、どうぞ心安らかにお休みください。
鍵山掃除道は、社会を変え希望を与える光
日本を美しくする会 相談役 田中 義人
鍵山秀三郎相談役と初めてお会いしたのは、平成3年(1991)11月23日、「恵那はがきまつり」でした。「30年間、毎日トイレ掃除を続けてきました。お蔭で人生も会社も大きく変わりました」
この一言は経営にいき詰っていた私の胸を貫き、翌朝から神社の掃除を始めるきっかけとなりました。毎朝の掃除により神社は美しさを取り戻し、私は掃除のもつ力を実感いたしました。
1993年11月、鍵山相談役のご指導の下、日本大正村で第一回「掃除に学ぶ会」を35名で開催いたしました。この時を機に、相談役は「日本を美しくする会」の活動を全国・海外へ広げられ、学校や企業、地域社会に多くの再生と変化をもたらされました。
相談役の志は、社会を変え希望を与える光として大きく育ってきました。その精神を受け継ぎ、鍵山掃除道を次代へ伝えてまいります。長きにわたるご指導に心より感謝申し上げます。

父の足跡に続く道
鍵山 幸一郎
令和7年(2025)1月2日に、父が亡くなってから、たびたび追悼文を依頼されました。その過程において、あらためて遺した足跡の偉大さに、心を打たれています。最期の最期まで、極め細やかな氣遣い、心遣いをやりぬいた生き様に、自分の父でありながら、尊敬の念を深めた次第です。父から掃除を通じて、どんなことを教わったか振り返り、それを続ける決意をする時期ではないかと思います。日本を美しくする会の縁で出会った私たちが、これから大切にすべきことは以下と思います。
1.豊かな人生
相談役のお陰で心豊かな人生を歩んでいます、と書かれたお悔やみの手紙をたくさんいただきます。父の助言で人生を変えた方のお言葉です。掃除の会は、豊かな人生を歩んでいる人の集まりです。その輪が更に広がることを願います。
2.本当に大切なこと
イエローハットに入社すると、まず段ボールの縛り方を教わります。回収業者さんの作業を少しでも軽減するためです。また紙をゴミにしないことで、資源節約に加え、ゴミの少量化につながることも教わりました。そんな小さなこととバカにせずに、取り組むことにより、思いやりの心を育むことにつながります。掃除はまさに具体的に学ぶ場だと思います。
3.誰の仕事でもないこと
懇親会終了時に、当たり前にやっている、後片付けのお手伝いですが、私たち以外の人はまずやりません。残念ながら誰かがやるべきことがはっきりしているのに、放置されていることが現状です。誰がやるか決まっていないことを積極的に取り組むことで、人間力が向上すると教わりました。
掃除を単なる作業で終わらせるのは、もったいないことです。掃除から学び、思いやりや感動の心を育み、世の中から心の荒みを失くす活動を、これからも力を合わせて続けていきたいと思います。父の想いを風化させぬよう、足跡を一緒に辿りましょう。