都会に住んでいると、土に触れる機会は皆無に等しい。どろんこになって遊ぶ子どもの姿も今は昔、令和にはついぞ見られない光景かも。
川柳ワンポイントアドバイス
「語順を変える」
△土いじり野生の本能よみがえる (東京都/川野士郎)
「土」から「野生の本能」と詠む感性が魅力的な句。ただ中七が八音になっているのが惜しいところ。中七は厳守ですが、上五は少々長くなっても構わないので、語順を変えて整えてみましょう。
○添削句
野生の本能よみがえらせる土いじり
「野生の本能」というパワーワードを上五に置き、語順を変えました。
*お題「土」入選作
土けむり蹴って小さな反抗期
(草津市/宇野弘子)
・言葉にできない無言の反抗を「土けむり」で表現した佳句。蹴るという行為とともに、胸のもやもやも読者に伝わります。
底なしの泥ひとすくい取り除き
(大阪市/池永重彦)
・空しいことと知りつつも、倦まず弛まずひとすくいずつの泥を取り除く作者の生き様。
洗っても爪の間に残る土
(松戸市/佐藤誠)
・誰しもの共感を呼ぶ、子どもの頃からのあるあるですね。
ずっと土に埋まったままのわだかまり
(大阪市/川端日出夫)
土喰らうミミズも我も掘り進む
(高槻市/岡本 悠)
意地と意地一歩も引かぬ土俵際
(京都市/平 里彩)
泥臭く生きる作業着日干しする
(大阪市/釜田かな湖)
故郷の土に還った母想う
(泉佐野市/古谷りり)
土の中昭和時代のコーク瓶
(東京都/川野士郎)
54号お題「赤」(7/15締切)
s.f777.ikenaga@gmail.comまで。
ご一緒にLet’s川柳!
中川千都子(なかがわちづこ)
心理カウンセラー、川柳作家。
川柳専門誌『現代川柳』編集長