川柳こころの散歩道(14)

都会に住んでいると、土に触れる機会は皆無に等しい。どろんこになって遊ぶ子どもの姿も今は昔、令和にはついぞ見られない光景かも。

川柳ワンポイントアドバイス

「語順を変える」
△土いじり野生の本能よみがえる  (東京都/川野士郎)
 「土」から「野生の本能」と詠む感性が魅力的な句。ただ中七が八音になっているのが惜しいところ。中七は厳守ですが、上五は少々長くなっても構わないので、語順を変えて整えてみましょう。

○添削句 
野生の本能よみがえらせる土いじり
 「野生の本能」というパワーワードを上五に置き、語順を変えました。

*お題「土」入選作 

土けむり蹴って小さな反抗期
(草津市/宇野弘子)
・言葉にできない無言の反抗を「土けむり」で表現した佳句。蹴るという行為とともに、胸のもやもやも読者に伝わります。


底なしの泥ひとすくい取り除き 
(大阪市/池永重彦)
・空しいことと知りつつも、倦まず弛まずひとすくいずつの泥を取り除く作者の生き様。

洗っても爪の間に残る土 
(松戸市/佐藤誠)
・誰しもの共感を呼ぶ、子どもの頃からのあるあるですね。

ずっと土に埋まったままのわだかまり
(大阪市/川端日出夫)


土喰らうミミズも我も掘り進む
(高槻市/岡本 悠)


意地と意地一歩も引かぬ土俵際
(京都市/平 里彩)


泥臭く生きる作業着日干しする
(大阪市/釜田かな湖)


故郷の土に還った母想う
(泉佐野市/古谷りり)


土の中昭和時代のコーク瓶
     (東京都/川野士郎)

54号お題「赤」(7/15締切)
s.f777.ikenaga@gmail.comまで。
ご一緒にLet’s川柳!
中川千都子(なかがわちづこ)
 心理カウンセラー、川柳作家。
 川柳専門誌『現代川柳』編集長