鍵山秀三郎「一日一話」(4)
PHP研究所

鍵山 秀三郎(著)
亀井 民治(編)

掃除のコツ

 掃除のコツは、範囲を限定して徹底することです。
 たとえば、Pタイルを一日一枚だけとか、廊下を1mずつというように、一部分ずつ区切ってやることです。そうしますと、きれいなところがはっきりするので、あとがやり易くなります。一遍にやろうとしてもできるものではありません。やってもすぐ元に戻ります。
(日付6・5)

そのうち一気にまとめて

 きれいに洗った車で出かけても、すぐ汚れることもあります。それでも洗って出かけるようにしております。
 人間というのは、「もうじき雨が降りそうだ」「近いうちに降りそうだ」などと理由をつけて、「今日はまあいいか」となりがちです。そうなると、「そのうち一気にまとめてやろう」などと言って、結局やらないものです。
(6・6)

ゴミを拾う人は捨てない

 タバコの吸殻を捨てたからといって、急に人生が悪くなるわけではありません。だから無神経に捨てる。その考え方が問題です。
 捨てる人は捨てる一方、捨てる人で拾う人はまずいません。反対に、拾う人は捨てません。この差は、年月がたてばたつほど大きな差となって表れます。人生は、こうしたことの積み重ねですから、無視できません。
(7・6)

旅館ですること

 温泉旅館に行くと、ふろ場の入口に10も15もスリッパが脱ぎ散らかしている光景に出会います。
 私はそれらを揃えるようにしています。風呂場から出るときも、洗い桶は腰かけの上に伏せておきます。入口を見ると、またスリッパが散らかっているので、揃えます。
 私は、人のスリッパを揃えて損をしたことがありませんし、人の洗い桶を片付けて損をしたこともありません。
(7・25)

掃除は毎日

 掃除は、たまにまとめてやっても価値が半減します。毎日掃除をするからこそ意味があります。
 私は、毎日の掃除を通して積み上げることの大切さを体感し学ぶことができました。人様がたまにやることを、しょっちゅうやる。また人様がときどき気にかけることを、いつも気にかける。人様が見過ごしたことを拾い上げる。そういう考え方で掃除を続けてきました。
(8・29)

(絵・上村 禎彦)